8.16.2011

オンライン授業の受講生、世界175カ国から58000人

Virtual and Artificial, but 58,000 Want Course
(NYT, 8/16/11)

スタンフォード大学による人工知能(AI)の無料オンライン授業を受ける学生、世界175カ国以上から58000人。スタンフォード大全体の学生数の約4倍。受講生はスタンフォード大の単位はもらえないが、他のオンライン大学の単位にはカウントされるそう。

インストラクターの2人は、Sebastian Thrun教授と Peter Norvig氏。両氏ともAIの分野では超一流として知られるシリコンバレーの第一線のサイエンティスト。Thrun氏はカリフォルニアの公道を10万マイル走る無人車というGoogleの企画に参加。またNorvig氏は元NASAのサイエンティストで、現Googleのリサーチ部門ディレクター。

MIT教授が始めたYouTubeオンライン無料授業を提供する非営利団体(NPO)の活動にヒントを得て始めたというこの企画、58000人分の採点はAmazonクラウドを使っている、という。

テクノロジー進化の恩恵で、教育の現場も、こうしてどんどん変化を遂げてゆく。

8.08.2011

ロシアは2014年までに債務を3倍に増やすつもり

Russia plans to triple state debt by 2014
(France 24, 8/8/11)

借金しすぎた国がギャーギャー大騒ぎしている最中に、ロシアは2014年までに債務残高を現在の3倍に増やすつもりと発表。発行するのは主としてドメスティックの国債。

経済停滞によりロシアの財政赤字は2012年にGDP対比2.7%、債務を増やすことで、これを2014年には2.3%に落とせるというのが露政府の試算。絶対額での債務残高は7月1日時点で4.6兆ルーブル(US$161bn)、しかし政府の試算では2014年に12兆ルーブル、GDPの17%となる。格付けは、BBB(SP)/Baa1(M)/BBB(F)。露政府は格付けが低すぎると不満のよう。

余裕だなぁ・・・と思いきや、下のパラグラフに注意。「歳出をカバーするためにリザーブを崩している。」(どこかの国がいつかきた道・・・)

Russia was able to build up tens of billions of dollars in two reserve funds during the era of high oil prices, helping the country weather the global financial crisis of 2008.

But the finance ministry document said that Russia's petrodollars would now be used to finance expenditure. The National Reserve Fund would receive only a small top-up while the National Welfare Fund would be given no further money.

8.04.2011

BNYメロン、預金しすぎた顧客には手数料を課す

BNY Mellon to Slap Fees on Some Big Deposits Amid Global Race to Cash
(WSJ, 8/4/11)

市場に不確実性が高まっていることを受け、ここ数週間でマネーマーケットファンドは手持ち現金を増やし続けたが、それに悲鳴を上げたBNYメロンが、大口預金者の一部に手数料を追加すると通告。多額の余剰預金を持つクライアントは13bpsの手数料。

Custody banks are typical havens when financial markets go haywire. They act as protectors of assets, cash and securities held as collateral for short-term loans for their clients, and they process payments and settle trades in the repo market. Money-market funds, banks, hedge funds and other institutional investors can easily move money at their custody banks in short periods of time.

Bank of New York's move is emblematic of much broader strains that plague the U.S. economy and the global financial system. In response to the recession and anemic recovery, the Federal Reserve has pushed interest rates to zero and purchased $2.6 trillion of mortgage and Treasury securities. In the process, it has flooded the financial system with cash.

FDICの保険料は0.1%、預金額が極端に増えると、キャピタルチャージがかかる恐れも。そのため、銀行側としてはそのコストを顧客に転嫁し始めるとのこと。リスク外しのモードが高まるにつれ、突然に、しかも、大量に(suddenly and substantially)預金額が増えたとメロンの言。

"We are taking steps to pass on costs incurred from sudden and significant increases in U.S. Dollar Deposits with BNY Mellon," said the bank in its letter. It said it finds its deposits "suddenly and substantially increasing" as investors are in a mass "de-risk" mode.

8.02.2011

一度失ったトリプルAは取り戻すことができるのか

Will the US ever get its triple-A back?
(Felix Salmon, 8/1/11)

米国がS&PからAAAの格付けをもらったのは1941年。その格付けも、いまや格下げの危機の淵。S&Pの格付けでは、トリプルAを取得している国は16カ国。米国が最も古く、次がフランスの1975年。そして、オーストリア、イギリス(1978)、ドイツ(1983)・・・と続くという。一度AAAを失ったら、またAAAを取り戻すことはできるのか。

1975年以降のS&Pのソブリン格付けアクションリストによると、最後に「トリプルAクラブ」に格上げされたのはスウェーデンで2004年。現在トリプルAのうち、デンマーク、フィンランド、カナダ、オーストラリア、スウェーデンはすべて、いちど格下げされて、ふたたびトリプルAに戻ってきた国。しかし、どの国も、一度格下げされると、戻るまでに最低10年はかかる、とか。

アメリカも一度トリプルAから脱落すると、10年間は、島流し?

債務上限問題をめぐる議会のゴタゴタぶりに、アメリカ人の反応は?

Budget talks in a word: ‘Ridiculous,’ ‘disgusting’ and ‘stupid’ top poll
(Washington Post, 8/1/11)

債務上限引き上げをめぐり、ポリティクスの限界に挑戦(?)し、ギリギリまですったもんだが続いた米議会。米メディアは連日連夜、このニュースばかり。筆者もさすがにウンザリしてきて、最後はTVニュースを見るのも嫌になるほど。

ワシントンポストとPew Researchが、「ここ数週間繰り広げられた議会でのバトルをひとつの単語で表現すると?」というアンケートを行って、一般のアメリカ人から戻ってきた答えが、下の図。

上位27までネガティブな単語。トップ10は以下の通り。

1. Ridiculous
2. Disgusting
3. Stupid
4. Frustrating
5. Poor
6. Terrible
7. Disappointing
8. Childish
9. Messy
10. Joke

ほとんどの人が「ええかげんにせい」と感じていたようで。英単語の勉強にいかが?(笑)

8.01.2011

中国の衝突事故スキャンダル、関係省庁の役人が$2.8bn横領?

Chinese rail crash scandal: 'official steals $2.8 billion'
(Telegraph, 8/1/11)

中国の高架橋上で追突事故を起こし多くの死傷者を出した事件があったが、今年の2月、中国の鉄道を管理する関係省庁の役人が横領の罪で逮捕、彼の上司にあたる鉄道省大臣も同時に逮捕されていた、というテレグラフの記事。逮捕された役人は、職務中に現金を横領して海外口座に$2.8bnを隠しており、大臣の方も賄賂として£95mil以上受け取っていたとChina Central TVが伝えたと、中国のニュースウェブサイトSina Weiboが掲載したが、そのエントリーは早々に削除された。(原文は下参照)

(どこまで真実かは、この記事からだけではわからないけれど、それにしても、$2.8Bnという数字に度肝を抜かれた。)

プラザホテルのオークルームも閉じる

A Last Call at the Oak Room at the Plaza
(NY Times, 7/27/11)

チェルシーホテルだけじゃなくて、ニューヨークのアイコンがもうひとつ消える。プラザホテルのレストラン、Oak Room。ジャズ・エイジ文学の代表格でフィッツジェラルドの名作『華麗なるギャツビー』では、このOak Roomがカメオとなって使われた。プラザホテルは数年前に、高級ホテルから超高級コンドミニアムというステータスに変身し、それとともにOak Roomも新シェフを入れたりしていたが、プラザへの家賃滞納、ザガットでの評価低迷など問題続きで、ついに店じまいを強いられた様子。歴史あるアイコンが、またひとつ・・・

NYのアイコン、チェルシーホテルが閉じる

New York's Chelsea Hotel Refuses to Die Quietly
(The Atlantic, 8/1/11)

パンクロッカー、シド・ヴィシャスがガールフレンドのナンシーを刺殺した現場となった、ニューヨークのチェルシーホテルが閉鎖。このホテルが舞台になった逸話は数知れず。1898年にはマーク・トウェインがこのホテルを「自宅」と呼び、ボブ・ディランやジャニス・ジョプリンら、アメリカのクリエイティブ・シーンを代表する人々が多くここに住んでいた。ジョニ・ミッチェルの歌「Chelsea Morning」はこのホテルのことを歌ったものだが、ビルとヒラリークリントンの長女チェルシーの名は、この歌から取られた。このホテルにまつわる有名人の名前をあげたら、キリがない。

250室あるホテルには現在100名の「住民」がいて、彼らは引き続きそこに住んでいてもよい、ということらしいが、7月をもって新規の泊り客の予約は受け付けなくなった。

7.29.2011

米国債が格下げされてもMBSは安泰(by BarCap)

Fannie, Freddie investors likely steady, even in default
(Housing Wire, 7/29/11)

以前、エージェンシー債を相当抱えている銀行セクターは、米国債の格付けが下がると、自己資本にプレッシャーがかかるのでは、と筆者は書いたのだが、Barclay Capitalのアナリストはそのシナリオは心配しなくてもよかろう、というオピニオンらしい。

過去3四半期で、銀行セクターはMBSの需要サイドとしては最大で、$100bnの積みまし。BarCapは銀行の需要は引き続き強いと見る。以下グラフは記事中で紹介された、MBS保有者別内訳。銀行が政府機関よりも多い。

財務省はオーソリティ失効前日に、短期米国債$50bnを発行する

Treasury's $50 Billion Bill Auctions to Go Ahead Monday
(CNBC, 7/29/11)

3度目のベーナー修正案が218-210で、ようやく下院で可決。次は上院へ。ヤレヤレ・・・。

In the meantime、財務省は月曜日(8月1日)に、$50bnの米国債(3ヶ月と6ヶ月のTreasury Bills )を発行予定。来週償還を迎える米国債の額$87bn。ロールオーバー分なので、月曜日に発行しても問題なし。

財務省が新発USTを発行するオーソリティ(権限)は8月2日一杯(正確には8月3日真夜中12時02分)に失効する。その前日に出しておかないと。しかし、短期のイールドが上がってるときに、3ヶ月と6ヶ月を発行するとはね・・・(自転車操業の様相、ますます濃厚となっているわけだが・・・。笑いたいが、笑えない。)

ボラが高まることが予想される来週、プライマリー・ディーラーと連銀とで、作戦会議がもたれている。以下参考。

Morgan Stanley's Jim Caron said three alternative options for auctions were discussed at the meeting at the Fed. He said they discussed delaying the August refunding and issuing a short-dated cash management bill that could be rolled over, as needed.

They also discussed rescheduling auctions until after the debt ceiling is increased, or holding auctions of much smaller sizes, but dealers said there could be liquidity problems. They also could announce a conditonal refunding, using when issued trading, which dealers dismissed because of the timing uncertainty.

グルーポン、フォースクエアのパートナーになる

Foursquare and Groupon Hook Up for Real-Time Deals
(Mashables, 7/29/11)

グルーポンは、Foursquareの「daily deals & specials (今日のお買い得スペシャル)」の、6番目のパートナーになったという。Foursquareでチェックインすると、そのお店の「今日のお買い得グルーポン」がアンロックされる仕組みで、両者で収益を分け合うそう。(どういう割合で分け合うかは公表されていない。)

米政府よりアップル社のほうがキャッシュ持ってる

U.S. balance now less than Apple cash
(Financial Post)

いまこれを書いてる瞬間も、債務上限問題の両党ステールメイトは続いている。昨日の段階で、米政府のポケットに残っているキャッシュ$73.768bn。一方、アップル社の現金残高は6月末の段階で$75.876bn。(6月末時点だから、アップルのキャッシュポジションは、昨日の時点ではさらに潤沢になっているのでは・・・という気もしないでもないのであるが。苦笑)

7.28.2011

高齢者の依存度国際比較

Dependency Ratios Around The World
(Business Insider, 7/21/11)

グラフは、15~64歳の労働者100人に対する65歳以上の人の数。世界平均は11.6人。G4平均27.7人。


トヨタのピックアップトラックTacoma、新モデル

Toyota Tacoma to Get New Look and Interior in October
(WSJ, 7/28/11)

トヨタのコンパクト・ピックアップトラックTacoma、10月に新デザインでお目見え。GMやフォードがマージン高いフルサイズによりフォーカスをシフトしたので、米国ピックアップ市場では、この型が非常にポピュラー。若い層にアピールするので、トヨタとしても重要な車種。

(我が家のGM製のピックアップが、そろそろイカレてきているので、次はタコマにしようかと真面目に考えている、一消費者は私です。)

7.27.2011

米の郵便局4000箇所近く閉鎖の方向

Nearly 4,000 Post Offices Might Close
(NYT, 7/27/11)

全米32000ある郵便局(USPS)のうち3600以上が閉鎖の方向。USPSの今年度の損失$8bn, 財務省から借りれることになっているローン$15bnも使い切った。郵便のボリュームは過去4年で20%減、約20万人のポジションが過去10年で削減された。

(視点をちょっと変えると、米国のこの広い国土に32000なら、日本に25000近くもあったというのが、すごいですよね。)

米国債の最悪シナリオ下での金融機関への影響

Banks Bracing for U.S. Downgrade See No Panic Yet
(Bloomberg, 7/27/11)


  • 銀行はデフォルトよりも格下げの可能性により注目して、万一の事態に備えて準備をしており、主要資金市場は平静を保っている。
  • レポ市場でコラテラルに使われてる米国債はおよそ4兆ドル、レポ市場でのボラが上がるとクレジットが縮小するとJPM。
  • ING Directの買収で資金調達の必要があるCapital Oneは、再調達リスクを減らすために保有証券を一部売却。
  • JPMの金利ストラテジーのグローバルヘッドTerry Beltonの言:「格下げによる調達コスト上昇は中期的に60-70bps、これにより米国政府の借り入れコストは年間$100bn上昇、短期イールドは5-10bps上昇。」(下に原文)
  • 米金融機関の米国債とエージェンシー債の保有総額は7月13日付けで$1.67tn、2008年の$1.1tnから増加。25bpsの金利上昇で銀行の自己資本は悪影響を受けると見るエグゼクティブも。
  • Citiの銀行アナリストは、米国債の格下げがシングルAレベルに落ちれば話は別だが、シングルA転落のシナリオは可能性が極めて低く、The Bank Holding Company Actでは米国債とエージェンシー債の保有は制限無しと定めており、同証券のリスクウェイトは格付けに左右されるものではないので、(自己資本の懸念から)強制的に売りに出る銀行は少ない、という意見。


筆者もたとえ格下げになっても、1段階下げのAA+(Aa1)におさまると思う。その場合の銀行へのインパクトはマネージ可能だとも思う。

米国債格下げのトレーディングフロントへの影響

DEBT CEILING: Some Quick Thoughts From Goldman's Head Of US Treasury Trading
(Business Insider, 7/27/11)

ゴールドマンの米国債トレードヘッド Beth Hammockのメモから。具体的なbpsの数値はともかくとして、期待される動きとしては、きわめて全うな内容。

「米国債がAAにおちると、GSEは即時の格下げ圧力、米国債には徐々に海外の持分減少でドル安方向に引導、米企業および米銀への格付けネガティブ影響。格下げ直後は、短期エンドにリスクオフのトレードで30bpsラリー、5年をピボタルポイントにして、長期エンドは20-30bpsのセルオフ。エージェンシー債はワイドニング圧力、だが買いは入ると見込まれ。最終的には、米国債のイールド全体が25-50bpsの持ち上げ、長期アンダーパフォーム。エージェンシー債およびMBSは5-20bpsワイドニング。」

(先日、MHJ本館のほうに、BACのCFOが米国債格下げに「備えて」いるという話を書きましたが、BACの描くシナリオもこれと似たようなシナリオでトレード損益と自己資本のシミュレーションやってるのでは、と想像します。)

米国債のCDSカーブが初めて長短逆転

Live Blog: The U.S. Debt Battle
(WSJ, 7/27/11)

ちまたでは上限問題で米国債がデフォルトすると上へ下への大騒ぎだが、肝心の米国債市場はずっと静観の態度。ただし、さすがにここに来て、8月4日償還予定の米国債が7月28日より4bp動いて若干安め。米国債CDSの方は、1年CDSが5年CDSより20bps高くなっていて、初めてインバートしている。流動性の低い市場だが、リスクを「少しばかり」織り込んでいる、とメリルリンチ。("small probability”という表現に注意。欧州のようにパニックしているわけではない。)

4:43am BofA-ML: Default Risk Starting to be Priced in

7.26.2011

米国の債務はどうやってここまで大きく膨れたか

How the Deficit Got This Big
(NYT, 7/23/11)

「反政府コンサバが何を言おうと、教育関係や海外支援などの軍事費以外の歳出削減の部分は、財政赤字の主因ではない。事実それらは予算全体の15%にしかならず、この10年間、予算に占める割合としては変化はなかった。そこの部分を削減しても財政赤字の穴を埋めることはできない。」

この記事の中に出ている2つのグラフが秀逸。This article is a MUST read.


IMFは近く資金を増やす必要ありかも、とラガルド

Lagarde Says IMF May Need More Funds
(WSJ-Europe, 7/27/11)

外部支援を必要とする国が従来以上に多いため、IMFはもっとおカネが必要になる、と新IMFトップのラガルド。国内問題でこれだけもめてる米国が、欧州問題のためにカネ必要だというIMFにすんなり首を縦に振るだろうか・・・。

ムスリムじゃないけどムスリムっぽい (動画ジョーク)

I'd say, in terms of cynicism, this is definitely one of the best by Colbert! ワロタ

ISDAによると、米国債がデフォルトしたらCDS支払いまで猶予は3日

U.S. has 3 days grace before CDS default trigger: ISDA
(Reuters, 7/26/11)

CDSの支払いがトリガーされるのに猶予は3日とISDA。しかし、ギリシャの債務再編は信用事由にはならないとしたISDAが、米国のテクニカル・デフォルトは信用事由になると?それは、いったい、どういう基準で?(政治的な状況にらんで、ケース・バイ・ケースで決めてんのか?ww)

共和党を激しく非難するNYTの社説

上限問題をめぐる共和党の態度を激しく批判したNYタイムズの社説。

The Republican Wreckage
(NYT, 7/26/11)

「歩み寄ろうという大統領の訴えも退けた共和党は、国益という視点を失った。米国経済を人質にとり、ここ何十年の間に最大級といえる歳出削減を迫ることに成功した。目先の支払いの問題を将来の歳出の問題にすりかえて、民主側から幾分かの譲歩を得たら得たで、またそこから離れてゆく。この無謀なゲームは国家をデフォルトの淵に追い込んでいる。政府の就業プログラムがとめられて金利があがれば、ふたたび職に尽きたいという何百万という失業者の願いは絶たれる。米国政府は世界中の笑われ者だ。」

わたしは、このNYTの見解に、全面的に同意しますね。

7.25.2011

中国の脱線事故はインフラ投資の遅延に繋がる?

(WJS, 7/25/11)


[Quote] "The market has been expecting investment growth to recover in the second half, but the accident may prompt the government to overhaul infrastructure projects and slow the pace of investment," said Xu Wei, an analyst with Sinolink Securities.

「市場は下半期に投資額の成長回復を期待していたが、この事故により政府はインフラ関連のプロジェクトの見直しに入るかもしれず、それが投資ペースを遅らせる可能性がある」by 中国のシノリンク証券のアナリストの言

3.31.2011

米国の原子力の未来は?(ラジオ番組) 

The Future Of Nuclear Energy In The U.S.
(National Public Radio, 3/31/11)

  • 米公共ラジオ、番組Fresh Air、トピックは「米国における原子力の未来」
  • NYタイムズのエネルギー分野専門の記者Matthew Waldをゲストに迎え、米国の実情を語る38分。(番組全編は記事中のリンクで視聴可能)
  • 米国には原子炉104基、電気消費量の2割を原子力でまかなっているが、原子燃料と廃棄物の問題はいまだに米国内で明確なポリシーや解決策を作れずにいる、とウォルド氏。
(以下引用、太字は筆者)

"If we're lucky, we're heading for a situation like Three Mile Island, in which you have a very long cleanup period in which you can remove the damaged fuel from the spent fuel pools and then, essentially, you got a reactor that can be decommissioned in the normal way," he says. "If we're not lucky, you end up in a Chernobyl-type situation where you can't get the damaged material out and you build some type of sarcophagus and then you sit there and you watch it for the next few centuries."

求む!日本の原発で働きたいアメリカ人!

Help wanted: Self-starter to fix reactor, travel required
U.S. recruiter seeks nuclear workers for assignment in Japan containing the catastrophe
(MSNBC, 3/31/11)

  • 米の原子力業界専門リクルーターが、日本の福島原発の現場で働けるひとの採用を始めている。すでに応募者はいて、複数名を採用、次の日曜日にも日本に向け旅立つという。当面の採用予定は10名以下の規模。今後の展開次第で採用も変化、とリクルーター。
  • このリクルーターに人探しを依頼したのは、GE-日立のJVの下請け会社。
  • 採用条件は、現場経験のあるシニアレベルのエンジニアおよびテクニシャン、パスポートを持ってること、家族の承諾が得られること、放射能ゾーンで仕事する意思があること。(給与は当然、普通の給料より高い。)期間はわからず。もしかすると何ヶ月も行ってることになるかも。現地で必要な作業着やギアはすべて支給される。
  • 記事によると、高度の放射能を浴びるエリアに侵入して作業するワーカーのことを、業界用語で「Jumper」と呼ぶのだそう。今このリクルーターが集めているのは、Jumperの仕事ではない、という話。

米エネルギー政策ポイント

Fact Sheet on U.S. Energy Security
(The White House, 3/30/11)

  • ホワイトハウスが出したファクト・シート。原油依存の現状を改善するため、何をするかの簡単なまとめ。原油輸入を減らし、クリーン・エネルギーによる代替を増やすという骨子。

オバマのエネルギー政策動画

Obama Sets Ambitious Goal to Reduce Oil Imports
(Voice of America on YouTube, 3/30/11)

30日、ジョージタウン大学で行われたオバマによるエネルギー政策の演説について、VoAのニュース・クリップ(2~3分)。




45分間の演説ビデオは、ホワイトハウスのサイトから、こちら。
トランスクリプト全文はこちらへ。




<<関連過去記事>>
米政府、メキシコ湾の深海油田採掘の許可を出し始める (MHJ別館, 3/27/11)

中国、軍事白書を発表。(ビビりぎみの米は・・・)

China Lays Out Vision for Its Military
(New York Times, 3/31/11)


  • 中国、1998年から隔年で発行している軍事白書を発表。中国軍の現代化の進捗を誇るとともに、軍事的な覇権主義に利用されるのではという海外政府らの懸念を和らげるのに苦慮した内容。
    • (原文:The military’s vision was laid out in a national defense white paper that has been published every two years since 1998. The paper tries to walk a line between trumpeting the modernization efforts of the Chinese military and assuaging fears by foreign governments and observers that the fast-growing People’s Liberation Army will be used for expansionist or hegemonic purposes.
  • 白書は中国の軍事拡大はあくまでも自衛目的であるとしているが、白書の中で中国は、「アジア・パシフィック地域においては、軍事大国による戦略的投資が活発化しており、米国は地域での軍事同盟の強化や地域保全問題に関与を強めている」と指摘。
    • (原文:The military’s vision was laid out in a national defense white paper that has been published every two years since 1998. The paper tries to walk a line between trumpeting the modernization efforts of the Chinese military and assuaging fears by foreign governments and observers that the fast-growing People’s Liberation Army will be used for expansionist or hegemonic purposes.
  • 2010年にオバマ政権が台湾への武器輸出を発表して以来凍結状態になってしまった米中両国の軍事関係をスムーズにするためにロバート・ゲイツは今年一月も中国を訪問。中国側も5月に軍の上層部が米国訪問する予定。
  • 中国が先に発表した2011年の軍事予算は6011元(=US$92bn)で、前年比12.7%増。近年の年率7.5%増を上回る。

3.24.2011

「NYシティの人口はもっといるはず」by NY市長

STATEMENTS OF MAYOR BLOOMBERG
(New York City Mayor's Office, 3/24/11)


  • 国勢調査の結果、ニューヨークシティの5区の人口は817万人との結果。去年3月に試算されてた段階では840万人という数字だった。NY市長ブルームバーグは、国勢調査で把握されなかった人数(特に新たに流入した移民)はクイーンズ区などで相当数いるはずで、今回国勢調査から漏れた人数は20万人は下らないだろうという市の見解。
  • 国勢調査に従えば、10年前から数えると、シティには16万人ほど新しい市民が増えたとのこと。米国の都市の中には人口が減少している都市も多くあり、ニューヨークの人口増加は喜ばしい。
  • 過去10年を振り返ると、ニューヨークは911同時多発テロを経験し、二度の大きな景気退行もくぐり抜けたが、シティの犯罪率は減少し、市民生活のクオリティを高めるための投資を続け、街は以前にまして住みやすい良い街になった、と市長の言。
  • (筆者の感想:市長の言うとおり、ニューヨークは911の後、以前に増して華やかで強くて良い街になったと私も思う。)
(以下、市長のスピーチから引用)

3.23.2011

米政府、メキシコ湾の深海油田採掘の許可を出し始める

U.S. to Issue More Gulf Drilling Permits
(Wall Street Journal, 3/22/11)


  • 昨年のメキシコ湾原油流出事件後初めて、米政府はエクソン社に深海油田採掘の許可を与え始めたとのこと。そのひとつ、エクソンの新プロジェクトは海底6941フィート。(通常1000フィート以上が「深海」というくくりとなるそう。)
  • BPによるルイジアナ沖の「ディープ・ウォーター・ホライゾン」流出事故はどの石油会社も肝に銘じているはずだが、あの事故は非常に稀なケースで頻繁に起こるものではない、深海採掘には何も問題なしといったリラックスしすぎな雰囲気をかもし出している会社も、なきにしもあらず。
  • 深海採掘のみならず、もっと浅い沖のケースでも、今年にはいってから数度のリークの問題が生じたアパッチのようなケースもある。
(以下記事から引用)

3.21.2011

iPhoneがT-Mobileを殺した

How the iPhone Led to the Sale of T-Mobile USA
(New York Times, 3/21/11)


  • ドイツテレコムが米子会社のT-Mobile USAをAT&Tに$39bilで売却というニュース。
  • AT&Tが独占的にiPhoneを販売するようになってからT-Mobileの顧客数は減少。2006年には85%を閉めていた契約顧客が2010年には78.3%に減少。2010年だけで39万の顧客をライバルに奪われた。
(以下NYTより引用)

“The iPhone effect cannot be underestimated in this decision,” said Theo Kitz, an analyst at Merck Finck, a private bank in Munich. “Without being able to sell the iPhone, T-Mobile was in an unsustainable position and T-Mobile USA became a problem child.”

今回の事業売却の決定にあたり、iPhone効果は無視できないと某アナリストは述べる。「iPhoneを売ることができなかったT-Mobileは、将来の業界内の位置が不安定になり、(ドイツテレコムにとって)T-Mobile USAは問題児となった。」

米国から日本のための募金が少ない理由

A Charitable Rush, With Little Direction
(New York Times, 3/15/11)


米国人からの募金が少ない理由:「先進国」「犠牲者少数」というイメージが障害に
(日経ビジネス, 3/20/11)


  • 今回の大震災にあたり、米国からのNPO経由の寄付金の額について。日経ビジネスの記事では、カトリーナやハイチよりも集まった金額が少ないのは、「日本の被害が小さいという勘違い」があるため、という意見。
  • これと関連し、15日付のニューヨークタイムズの記事に、興味深い記述2点あり。
  • 1点目は、日本赤十字が3月15日付けの情報ブリテン(英語)で、「外部からの支援は必要ないという結論に達した」と自ら述べている点。
  • 2点目は、日本政府は海外政府とのやり取りに極力絞っており、米国の非政府系NPOとは直接やり取りしておらず、米NPOが義捐金を集めても、それを日本の人々のため、具体的にどう使われるべきかの方向がよく見えていない、という点。
  • (個人的には、米のTVであれだけの悲劇を連日連夜見せられて、よほど感覚ニブイ人は別として、「日本の被害が小さい」と感じる米国人が多いとは、とうてい思えませんけどね・・・。一番の理由は、日本側からのオフィシャルなアピールや広報がないということ、そして、日本で受け入れ側になるNPOの資金モビライゼーション能力に限りがあること、ではないかという気が。)

昨年夏に採掘始まったリビア沖のBP深海油田は??

BP set to begin oil drilling off Libya
(BBC News, 7/24/10)


  • 昨年7月24日付けで、古い記事。
  • この週末、英仏米の多国籍軍空爆がリビアで始まったが、去年採掘が始まったこの油田はどうなっているのだろうか。ふと気になったので、備忘録としてポストしておく。

米財務省、エージェンシー債$142Bilを向こう一年で売却予定

Treasury to Unload Mortgage-Backed Securities
(Wall Street Journal, 3/21/11)


  • 財務省が金融危機時に購入したエージェンシー債$142bilを、市場の状況を睨みながら毎月$10bilづつ市場売却、1年後には完売したいと月曜日に財務省が発表。(これは、連銀のMBS購入プログラムとは異なり、財務省が08年10月から09年12月の期間中に直接バイヤーになった分であることに注意。)
  • 財務省によると、納税者に$15~$20bnのプロフィットが出る見込み。
  • 今回の売却が米国の債務上限にかかる圧力を緩和するインパクトはほとんどないが、数日間は上限到達を遅らせる効果はある、と。
  • (市場関係者の中には、これが先鞭となって、さらなるLiquidationが来るのではという見方もあるが・・・)

3.11.2011

連銀資金循環統計:モーゲージ減で家計部門デレバレッジ続く

Flow of Funds Accounts of the United States: 4Q2010
(Federal Reserve, 3/10/11)


  • 個人のデレバレッジ引き続き進行中。主因は住宅マイナス1・25%、消費者信用はプラス2%、全体でマイナス0.5%。減少幅は減ってきてるが、11四半期ぶっ続けのマイナス。家計の純資産は$56.8trillionで、前四半期より$2.1trillion増。
  • 企業部門はプラス3.5%。一方、地方自治体はプラス8%、連邦レベルだとプラス14.5%と、政府関係の債務の増加目立つ。連邦政府の借金は2010年通年では前年比で20%+増えた。
  • 非金融債務残高$36.3trillion、うち家計部門$13.4trillion、非金融企業部門$11.1trillion、政府機関部門$11.9trillion.

3.10.2011

リビアのカダフィ、戦いを続けるための現金を相当蓄えてるらしい

Hoard of Cash Lets Qaddafi Extend Fight Against Rebels
(New York Times, 3/9/11)


  • 内戦が長期化する可能性濃厚なリビア。カダフィがトリポリに膨大な額のキャッシュを蓄えているらしいというNYTの記事。
  • 米国はすでにリビアの資産$32bnを凍結、国連と欧州側も別途資産凍結の動きに出ているが、それらは国際銀行とリビア国外に限定された資産の話。西側が資産凍結の動きに出る前から、おそらくリビア紛争が開始される直前にも、カダフィは自己の資産を守るため、西側の手が届かない経路(彼がコントロールするリビア中央銀行や地元銀行)を用いて、自分以外の者の名義にして現金を溜め込んだのだろうと関係者らは見ている。

(以下NYTから引用)

ガレオンのインサイダー取引裁判、始まる

Lawyers Make First Pitches to Jurors
(Wall Street Journal, 3/10/11)

What Gets a Potential Juror Kicked Off the Raj Rajaratnam Trial?
(New York Magazine, 3/9/11)


  • インサイダー取引容疑で逮捕されたガレオン・グループ(Galleon Group)のラージ・ラジャラトナム(Raj Rajaratnam)の裁判がニューヨークの連邦裁判所で開始。選ばれた陪審員は女性7人、男性5人、誰一人として、ロイド・ブランクファイン(GSのCEO)の名を聞いたことがないという。被告のラジャラトナムの方は、9名の辣腕弁護士団を組んで対抗、弁護士費用は$30ミリオンは下らないだろうとの下馬推測。
  • WSJによると、満員の法廷で、検察側・弁護側それぞれが陪審員向け主張第一声を展開、相当異なる弁論スタイルでそれぞれが攻めを開始したとのこと。検察側は機関投資家による投資行動などの話にまったく慣れていない陪審員を、過剰な証拠で圧倒してしまわないように気をつけながら、分かりやすい言葉で内容を単純化してたたみかけた。一方、弁護側は数十枚のプレゼン資料を用意して、オーディオビジュアルを駆使して迫った。裁判は2~3ヶ月続く見込み。

(以下New York Magazineより抜粋)

3.09.2011

ウィスコンシン州共和、民主抜きで組合団体交渉権剥奪に成功

Wis. GOP strips public workers' bargaining rights
(AP, 3/9/11)


  • 新州知事(共和)が提案した公務員の年金負担増を含む予算削減案と公務員組合の団体交渉権剥奪案をめぐり、ウィスコンシン州では、州を挙げて大規模な公務員のストライキが起こり、3週間前から民主議員が州外に脱出して議会投票を回避し遅らせている。
  • 共和と民主の対決が深まる同州では、共和側が9日、民主不在のまま団体交渉権に関わる部分「のみ」について投票、その案を通過させた、とAP。
  • APによると、州予算を使う場合は決議で定足数が必要だが、団体交渉権の部分のみであれば、「お金は使わない」という理由でそのルールを当て嵌める必要なしという(共和側の)法解釈により、予算案の部分と交渉権の部分を分割し、民主無視で後者のみ決議。民主側はこれに対し激しく反発している。

<関連記事> 
合言葉はエジプトの次はウィスコンシン
(Murrau Hill Journal, 2/17/11)

3.02.2011

「リビアは内戦に突入する危険高い」とヒラリー

US says Libya in danger of collapsing into civil war
(The Telegraph, 3/2/11)

米国、NATOと手を組み、ペンタゴンもフル稼働させて、経済・軍事の両面からリビア締め上げへ。

(以下記事より)

"In the years ahead, Libya could become a peaceful democracy, or it could face protracted civil war, or it could descend into chaos. The stakes are high." (by Hillary Clinton, US Secretary of State)

「向こう何年か、リビアは平和的な民主主義になる可能性もあるし、あるいは内戦が長期化するかもしれないし、カオスへと墜ちてゆくかもしれない。危険度は高い。」(米国務長官ヒラリー・クリントン)

"we are going to squeeze him (Col Gaddafi) economically in conjunction with the rest of the economic community. We'll squeeze him militalily." (by Susan Rice, US ambassador to the United Nations)

「我々は他国と強調してカダフィに経済的圧力をかけるつもりだ。軍事的にも圧力をかける。」(米国連大使スーザン・ライス)

マーク・ファーバーの2月23日付け長いインタビュー(音声のみ)

Marc Faber Interview 23-Feb-2011
(YouTube 音声のみ40分)




ポイント:
- ドイツはPIIGS救済には難色。
- 米財政がバランスすることは、金輪際なし。
- たとえコモディティ価格が下落しても、ゴールドに関しては上昇を予想、強気。
- CPIを2%に恣意的に低く抑えて見せていても、実質的なインフレは8%超、長期で債券価値を大きく毀損する。

MBIA、4Q10黒字、CDO関連の処理が進捗

MBIA Settles $19 Billion in CDO and Mortgage-Debt Guarantees With 5 Firms
(Bloomberg, 3/1/11)

Ambacと並びサブプライム全盛期にCDOへのギャランティを提供していた業界最大手MBIAが4Q10黒字決算。ボトムの数字を押し上げたのは、デリバティブス契約の時価会計上の税前ペーパーゲイン$1.1Bnが主因。同社は4Q10中に5社総額$15.7Bn相当のギャランティ債務の契約停止、これによりB/S上のリスク軽減が顕著に。保証契約そのものの軽減は1Q11中も進捗している、とのこと。(そして、もうひとつ、「QE2のおかげでクレジット市場のボラが下がっているのも同社のポートのフェアバリュー改善に貢献した」というCEOの言葉もついでにメモ。)MBIAは2007年以来$9.1Bnの保証債務支払いに応じてきている。

2.25.2011

国に見切りつけたアイルランド人の国外流出が加速

Irish Remedy for Hard Times: Leaving
(Wall Street Journal, 2/24/11)

  • アイルランド人、自国の経済が苦しくなってくると「国を捨てて出てゆく」という伝統(?)を発揮。(記事の中のグラフがこれまたすごくて、必見。)

(以下引用)

サウジの石油はリビアの穴埋めには即使えない

Why you really can’t swap Libyan oil for Saudi
(FT Alphaville, 2/23/11, hat tip @xmacoxnn)


  • リビア情勢に不透明感が増し原油価格の乱高下が続いており、市場はリビアからのサプライ動向を気にしている。
  • サウジアラビアが、リビア問題でサプライに支障が出ないようにコミットするという話が数日前から出ているが、サウジの原油とリビアのそれとでは油質が違い、最終プロダクトとして市場に出てくるまでにはサウジの原油はより時間を食うらしい。
  • それ故、単に「量」のみに着目した、サウジによるサプライ補充の議論は片手落ちである、というオピニオン。


(以下引用)
Prompt Brent markets have also flipped into slight backwardation, a trend we expect to continue in the short term, if sourcing immediate supplies is the concern. Moreover, the time taken to bring those Saudi barrels to the market is likely to be significantly longer compared to the ongoing Libyan production. Thus, the concept of a barrel for barrel replacement is not a correct one.

次の下げ足はパーフェクトストーム状態?

The Perfect Storm For The Next Leg Down
(ETF Daily News, 2/24/11)


  • 最近の米株ラリーはQE2で舞い上がったパーティ、でも、そのお祭り騒ぎもまもなく終わるとする、過去パターンとテクニカル分析からの視点で書かれたブログ記事。
  • 一時調整は入るが株価は伸び続けるという意見も市場には根強くあり、ほんとうにパーフェクトストームになるかどうかは誰にもわからないが、2007年の米株市場を振り返り、この人が言っている「02~07年のブル市場は金融株が牽引したのに、07年2月のコレクション以降の盛り返しに主役だった金融株がついてこれなくなっていたのは、やばいサイン点滅という意味だった。」というコメントには同意。(実際、当時それは話題になっていた。PBRが低いという理由で金融株を薦めるアナリストも少なくなかったのも事実。)

2.21.2011

中国ソブリンファンド、モルスタから東京の不動産融資を買う

CIC and Blackstone team up in Japan
(Financial Times、2/20/11)

  • 中国ソブリンファンドCICと米ブラックストーンが手を組んで、モルスタから日本の不動産向け融資ポートフォリオ(モルスタ本体から出されたプライマリーローン)を購入。CICはディストレス資産の直接投資に意欲を見せている。
  • 今回CICに売却された融資ポートは、MSが2005~2007年にかけて日本の不動産市場がやや上向く兆しを見せた時に出されたもので、MSはこれらをリパックしてCMBSとして市場売却する予定だったが、クレジット危機でその案は不可能に。セール対象額はローン額面で$1.1bn相当、ディスカウント率は額面の65%、正常および延滞債権ともに含む。ブラックストーンが関与してるといえど、投資資金のほとんどはCICから拠出。
  • MSとCICの関係はここ数年密接で、CICは2007年末に$5.6bnの投資でMS株9.9%所有、その他にもMSによるREITにも投資している。
  • 東京不動産市場改善の兆しかというセンチメントあり。

<<その他関連過去記事 (hat tip @gshibayama)>>

モルガンS不動産ファンド、大型物件のローン返済困難との見方も=関係者
(ロイター, 2/17/11)

M.Stanley funds face Tokyo property debt deadline
(Reuters, 2/16/11)

太陽風燃え上がり、世界の情報システム損害2兆ドル規模の危機?

Scientists warn of $2,000bn solar ‘Katrina’
(Financial Times, 2/20/11)

  • 太陽が長い眠りから覚め、強烈な炎を巻き上げているそう。太陽は約11年周期で寝たり起きたりしているが、今回の寝覚めはやや遅いようで、2013年にそのピークを迎えると予測されている。これまで観測された中で最も太陽風が強烈だったのは1859年で、当時整備されたばかりだった電信システムのほとんどが作動しなくなった。
  • 科学者達は、現在の世界の情報網・コミュニケーション網・電気配送のネットワークが、前回のピーク(2000年)の時よりもGPS衛星などへの依存度をはるかに増していることから、仮に今回の太陽風が1859年のときぐらい強い電磁波を撒き散らす規模のものになると、その被害は甚大になると警告。
  • 1989年にも、やはり強い太陽風の影響で、地上の電線で急激な電圧変化が生じ、カナダのケベック州全域で停電になるなどの被害が生じた。米政府は、同様の影響が仮に起こると、被害損失はグローバル全体で最大2兆ドルになる可能性があると試算。



2.19.2011

コートジボワールで軍が民衆に発砲、二人死亡

Protesters killed in Cote d'Ivoire crackdown
(Breaking News, 2/19/11)

  • 大統領即時辞任を求めるプロテスターの民衆に向けて、軍が発砲、少なくとも2人が死亡したとBBC。
  • 昨日MHJ別館で紹介した記事中で、アフリカ連合から別国のリーダー達が勧告に来るという話について、11月の選挙で勝利した大統領に任命された首相が次のようなことを言っていた。北アフリカ・中東のエリアを越えて反乱が広がる不穏な空気が・・・。
  • 商品相場でカカオ豆は上昇中。

(引用)
"We don't need the African Union ... In Egypt, was the African Union there? Was there a panel of heads of state there? It was the Egyptians that chased Mubarak out .... Gbagbo isn't stronger than Mubarak," said Soro. "The people of Ivory Coast need to do launch their own revolution."

「アフリカ連合が来てくれる必要などない。エジプトにアフリカ連合が出ていったか?他のアフリカ諸国のトップ達があの場にいたか?ムバラクを追い出したのはエジプト人達だ。Gbagboはムバラクほど強くはない。コートジボワール国民は自らの手で革命を起こす必要があるのだ。

ブラジルのオフィススペースの賃料、NYを上回る

Office rent in Rio is America's dearest
(Financial Times, 2/18/11)

  • ブラジルのリオの高級オフィススペースの賃貸料が前年比47%上昇、初めてニューヨークを超え北米南米全体で最も高いスペースに。Cushman & Wakefield の調べ。
  • ちなみに、プライムスペースの世界トップ5と平方mあたりのコストは以下の通り。1)香港=$2644、2)ロンドン(ウェストエンド)=$2563、3)東京=$1827、4)リオ=$1321、5)ニューヨーク(ミッドタウン)=$1260。
  • ラテンアメリカでは、プライムオフィススペースはアルゼンチン以外で上昇中。南米での賃料は年率12%アップで、世界で最高の伸び率。

コートジボワールで銀行閉鎖、危機深まる

Ivory Coast's largest bank closes, crisis deepens
(AP, 2/17/11)

  • コートジボワールで最大規模の銀行含む民間銀行9行が閉鎖。同国の公務員のほとんどがこれらの銀行への給与振込みとなっており、現金不足を恐れる民衆が銀行に押し寄せて取り付け騒ぎ。
  • 記事によると、昨年11月に行われた選挙で敗北した現大統領が現職を去ることを拒否、これに対して国連が金融制裁を発動、大統領の署名を失効させたために、通貨の発行が事実上不可能に。同国政府は民間銀行への預金もできなくなって、公務員の給与振込みがストップ。外銀を筆頭として民間銀行は、短期的に通貨と現金を回すことができなくなったことを理由に、今週次々と閉鎖。ひとびとはまだ閉鎖していない数少ない銀行にキャッシュを求めて殺到しているが、それに完全に対応することは無理らしい。
  • Gbagbo大統領は国営のカカオ豆取引からカネを融通していたが、EUの禁輸措置でカカオ豆の輸出禁止は6週間目に入り、その資金融通も困難に。
  • 来週、アフリカの5カ国首脳が同国を訪れ、退職を拒否しているGbagbo大統領に辞職するよう説得に行く予定。

2.18.2011

韓国でバンクラン

Bank run fears engulf savings bank industry
(Korean JoongAng Daily, 2/18/11)


  • 韓国のBusan II Savings Bankが、当局により6ヶ月の営業停止。2010年末日付けで、同行の自己資本比率は6%(韓国での最低所要比率5%)だが、負債が資産を上回り125億ウォンの債務超過。パニくった預金者が、預金引き出しを求めて、同行の入り口に100メートルの列を作る騒ぎに。
  • その他、自己資本比率が5%を下回った銀行5行も当局により名前が公表された。
  • パニック拡大を恐れた韓国銀行当局は、国営銀行と4大銀行を通じて貯蓄銀行セクターに2兆ウォンの緊急流動性融資を急遽注入することを決定。さらに韓国貯蓄銀行連盟が借りれる融資枠を6千億ウォンから3兆ウォンへと5倍増し。

米ヘルスケア改革法を撤回するコストは$210bnと米予算事務局

Repealing healthcare law would cost $210 billion: CBO
(Reuters, 2/18/11)

House Republicans begin efforts to defund health-care overhaul
(Washington Post, 2/18/11)

  • 先月、共和優勢の下院で、「オバマケアは財政悪化をもたらす」としてヘルスケア法を撤回する試みが245-189で通過した。(先月の関連記事はこちら)
  • オバマケアの撤回は「民主」対「共和」の政争の最大の焦点になっていて、共和はさらにオバマ政権にプレッシャーかけるために、ヘルスケア法の実行に必要な政府資金そのものをブロックする動きに出ている。その動きを牽制するため予算事務局から$210ビリオンという数字。
  • 最近の議会は、政争のための政争の場と化しており、米国民の声とはもはや繋がりがなくなった感あり。

2.17.2011

アメリカの老人ホームでの苛め

Mean old girls: Seniors who bully
(MSNBC, 2/16/11)


  • リタイア後の老人ばかりが住むコミュニティで、特定の住人をターゲットにした苛めが多く報告されてるとのこと。
  • 男性の場合は面と向かってイジワルするが、女性の場合は陰口や虚偽の話を広めて嫌がらせをするなど陰湿。10人や20人ぐらいのイジワル婆さん集団が、老人ホーム内で我が物顔にいじめを繰り返しているコミュ二ティもあるよう。苛めの対象になった老人は気分が重く、レクリエーションルームに行くのをためらって自室に閉じこもったり、人と顔を合わす機会を避けたり。
  • アメリカで、しかも、老人ホームで、70いくつにもなって苛め・・・いじめの問題は、場所・世代を問わず、どこでも起こる問題のよう。

D.Boerse unveils NYSE deal, now faces bumpy road

D.Boerse unveils NYSE deal, now faces bumpy road
(Reuters, 2/15/11)

CME might pursue NYSE to stave off competitive threat.
(Crain's, 2/14/11)

  • ドイツの証券取引所、NY証券取引所を$10.2bnでテイクオーバー。合併後は年間のトレーディングボリューム$20tn、オペレーションは米国・ドイツ・フランス・ベルギー・オランダ・ポルトガル・英国にまたがる巨大取引所に。
  • ディールに詳しいソースによると、NYSE Euronextの価値は本ディールで一株あたり$39、これは2012年の収益の13~14倍程度。新会社の株主構成は米国55%、ドイツ11%、英国11%、残り23%。NYSE Euronext株は、新会社の株と、1:0.47の比率で、また、D.Boerseの株式は1:1の比率でスワップ。
  • アメリカンキャピタリズムの買収は、政治的・感情的に物議をかもし出して前途多難な様相。シカゴの証券取引所も負けるもんかと手を挙げるだろう、というCrain's の記事も。最近のMHJ関連記事はこちら

Met's Clickable Moment: Fans Want to Buy Team

Met's Clickable Moment: Fans Want to Buy Team
(New York Times, 2/16/11)


  • オーナー達がメードフの巨大ネズミ講スキームと関わり$1bnの訴訟をされている野球チームニューヨークメッツ。ファン達が自分達でメッツを買い取ろうと、サイト( BuyTheMets.com )を立ち上げてひと口$999でチームを買うための資金集めをしてるという話。NYメッツファン、果たして見事、メジャーリーグのオーナーになれるか。
  • これとは別に、チームは大口投資家を探しており、ドナルド・トランプが興味を示しているというウワサも。

Reagan and Reality

Reagan and Reality
(New York Times, by Bob Herbert, 2/14/11)


  • 第40代大統領ロナルド・レーガン、生きていれば今年100歳。富裕層への減税措置を筆頭とした「レーガノミックス」は、今日なお、共和保守の政治哲学として奉られている。
  • だが、労働者階級に圧倒的な人気を誇り、彼らの代弁者というイメージを演じたレーガン大統領その人とレーガノミクスは、互いに相容れないものなのだという、Bob Herbertのコラム。
  • レーガノミクスの鎧を被り減税と歳出削減を強く推す共和党保守と、富裕層優遇に反対し教育などの予算削減を阻止しようとするリベラルとが、オバマの予算案をめぐり、対立している。

以下、本文から引用。

2.14.2011

Why the stock market is increasingly irrelevant

Why the stock market is increasingly irrelevant
(Reuters, 2/14/11, by Felix Salmon)

Wall Street's Dead End
(New York Times, 2/14/11)


  • NY証券取引所がドイツ資本に買われることになった件について、ロイターの金融ブロガーFelix Salmonが「米株市場はアルゴリズムとスペキュレーターが金融資産にベットする場所に成り果て、キャピタルを配分するというコア機能は失われ、アメリカン・キャピタリズムをはぐくむ場所ではなくなった。強い米国株市場が強い米国経済を意味するかといえば、それもない。米株市場はもはやirrelevant(あってもなくても同じ)。」と厳しい指摘。

Government’s Overwhelming Role in Mortgages

Government’s Overwhelming Role in Mortgages
(Wall Street Journal, 2/14/11)


  • 92%=新たにオリジネートされた米住宅ローンのうち、ファニ・フレ等エージェンシー通じて米政府がサポート入れてる融資の割合。
  • ファニ・フレ改革についての関連記事は、こちら
  • ガイトナーは「モーゲージ改革には5年から7年かかる」との認識。いまここで無理やり市場規律を持ち込んでも、上のグラフのように民間が死に体のままでは悪化するだけ。

Obama Budget Relies on Gloomier Economic Outlook

Obama Budget Relies on Gloomier Economic Outlook
(Wall Street Journal, 2/14/11)


  • オバマの予算案のベース:実質GDP=3.1% up (4Q2011) and 4.0% up (by 2012); 失業率=8.6% (2012) 徐々に減少して5.9% (2015)に。
  • ホワイトハウスが示した前提は市場のエコノミスト予想よりもややコンサバな見通し:WSJによる予想サーヴェイでは、GDP= 3.5% up (4Q2011); 失業率=8.6% (2011終わりまで)

A Cheat Sheet for Obama’s Budget

A Cheat Sheet for Obama’s Budget
(Wall Street Journal, 2/14/11)


  • オバマ大統領が発表した予算削減案の概要。内容そのものよりも、「民主」vs「共和」の政争色のほうがいまのワシントンDCには濃厚で、ふたたび議会がグチャグチャもめるフェーズに。

2.13.2011

Reflections on the Revolution in Egypt

Reflections on the Revolution in Egypt
(Project Syndicate, 2/13/11)


  • 元米国務省シニアで現The Council for Foreign Relationsのトップ、Richard Haassによる寄稿。
  • 「ムバラク辞任には大きな意味があるが、これがエジプトの今後を決定する出来事ではない。これは始まりの終わりであって、エジプト情勢が及ぼす近隣諸国への影響は一貫性の無いものになると予測される。エジプトで起こった変化が歴史的にどんなインパクトを持つかについては不透明、現時点で手放しでポジティブになる段階ではない。」

(以下本文より引用)

Egypt, US may make emerging market investors more selective

Egypt, US may make emerging market investors more selective
(Reuters, 2/8/11)

  • 2月2日までに、ETFの全体のファンドフローは$2.17bnのマイナス(トムソンロイター調べ)。新興市場からの資金流出が広範囲で起こったのが主因で、EEM (iShares MSCI Emerging Mkt Fund)からだけでも$4.45bnの流出。中東情勢の不透明感、中国等の金利上昇懸念。
  • 一方で、米国ベースのETFには資金流入$4.2bn。好調な企業決算や経済指標から先行きに明るい見通し。

2.11.2011

President Obama on a Historic Day in Egypt




トランスクリプト全文は以下:

Good afternoon, everybody. There are very few moments in our lives where we have the privilege to witness history taking place. This is one of those moments. This is one of those times.

The people of Egypt have spoken, their voices have been heard, and Egypt will never be the same.

Trade unions: the revolutionary social network at play in Egypt and Tunisia

Trade unions: the revolutionary social network at play in Egypt and Tunisia
(Guardian, 2/10/10, hat tip @nofrills )

(今回の蜂起が起こる前から)エジプトでは7年に渡って組合闘争が多発しており、それらの運動を通じて結束を固めた組合員たちは、国内のみならず、さらに海外とも組織連携も深めていた。今回起こったチュニジアとエジプトでの蜂起は、そうした組合運動の【下敷き】があることを忘れるべきではないし、彼らの国際的な組合ネットワークを通じて現地からの情報が方々に送られた、と記事は言う。専門家達がエジプトとチュニジアでの騒乱を予知できなかった理由は、彼らが労働者階級の民主主義への強い願望を無視し見過ごしていたからだ、他のアラブ諸国の独裁政権が脆弱で不安定な状態に置かれ続ける理由を知りたければ、労働者との関係がどうなっているのかを見ればよい、と記事は結論。


Demonstrations Stir Fear Among Egypt's Copts

Demonstrations Stirs Fear Among Egypt's Copts
(NPR, 2/9/11, hat tip @eurodollari)

That view is one shared by many Copts, who account for some 10 percent of Egyptians. They say Mubarak and his Cabinet are being made to answer for past wrongs. But they also worry that Islamist groups long suppressed by the Egyptian government will gain enough power to turn Egypt into a fundamentalist state — subject to Islamic laws and hostile toward religious minorities like the Copts.

  • Coptsクリスチャンはエジプト全体の10%。彼らは、ムバラクが去ったあと、エジプト政府から長いこと抑圧されてきたムスリム同胞団がエジプトを原理主義国家に変えるパワーを得て、イスラム法を適応しCoptsクリスチャンのような宗教的マイノリティに敵対的になるのではないかと懸念している。

Fannie, Freddie Phaseout Proposed

Fannie, Freddie Phaseout Proposed
(Wall Street Journal, 2/11/11)
WASHINGTON—The Obama administration unveiled a proposal Friday for winding down mortgage giants Fannie Mae and Freddie Mac, spelling out three options for what could take their place and setting the stage for a debate over the nation's $10.6 trillion mortgage market.
  • ホワイトハウス、$10.6tnのモーゲージ市場の今後のあり方を変える道順を示す「白書」を発表。目標に掲げるのは、(1)住宅金融市場における政府の役割の縮小、そして、(2)政府の保証なしで発行されたMBS債の市場再活性化。

2.10.2011

Twitter as Tech Bubble Barometer

Twitter as Tech Bubble Barometer
(Wall Street Journal, 2/10/10)
As Internet valuations climb and bankers and would-be buyers circle Silicon Valley in an increasingly frothy tech market, many eyes are on one particularly desirable, if still enigmatic, target: Twitter. Discussions with at least some potential suitors have produced an estimated valuation of $8 billion to $10 billion.
  • ツイッターのバリュエーション見積もり、$8~$10ビリオン。テク・バブルのバロメーターかとWSJ。2010年の同社の収益$45mil、新規採用とデータセンター拡大におカネ出て行って、最終利益は赤字。