(New York Times, by Bob Herbert, 2/14/11)
- 第40代大統領ロナルド・レーガン、生きていれば今年100歳。富裕層への減税措置を筆頭とした「レーガノミックス」は、今日なお、共和保守の政治哲学として奉られている。
- だが、労働者階級に圧倒的な人気を誇り、彼らの代弁者というイメージを演じたレーガン大統領その人とレーガノミクスは、互いに相容れないものなのだという、Bob Herbertのコラム。
- レーガノミクスの鎧を被り減税と歳出削減を強く推す共和党保守と、富裕層優遇に反対し教育などの予算削減を阻止しようとするリベラルとが、オバマの予算案をめぐり、対立している。
以下、本文から引用。
Reagan has become this larger-than-life figure who all but single-handedly won the cold war, planted the Republican Party’s tax-cut philosophy in the resistant soil of the liberal Democrats and is the touchstone for all things allegedly conservative, no matter how wacky or extreme.
レーガンは一方的に米ソ冷戦に勝利した伝説的な英雄となり、反抗する民主党リベラルの土壌の中にも「減税」という名の共和党哲学を根付かせ、それがいかに奇妙で極端なものであろうと「コンサバ」と名のつくあらゆるものごとの試金石となって今も生きている。
The biggest problem with Reagan (中略) is that he presented himself — and has since been presented by his admirers — as someone committed to the best interests of ordinary, hard-working Americans. Yet his economic policies, Reaganomics, dealt a body blow to that very constituency.
レーガンの最大の問題は、彼が、せっせと働く普通のアメリカ人の要求に耳を貸すのに全力を尽くす、そういう人物であるように、自分自身を演出したことだ。そうしたイメージはその後のレーガン信奉者たちによって、いまなおレーガンとはそういう人だと語られている。だが、「レーガノミクス」とは、レーガンの支持者層である労働者達にボディブローをかますような経済政策だったのだ。
Paul Volcker, who served as chairman of the Federal Reserve during most of the Reagan years, commented in the film about the economist Arthur Laffer’s famous curve, which, incredibly, became a cornerstone of national economic policy. “The Laffer Curve,” said Mr. Volcker, “was presented as an intellectual support for the idea that reducing taxes would produce more revenues, and that was, I think, considered by most people a pretty extreme interpretation of what would happen.”
Toward the end of his comment, the former Fed chairman chuckled as if still amused by the idea that this was ever taken seriously.
レーガン政権下で連銀議長を務めたポール・ボルカーは、HBOのレーガンのドキュメンタリー映画の中で、エコノミストのアーサー・ラッファーが提唱した有名な曲線について語っている。信じられないことにラッファー曲線は国家の経済政策の礎石という地位を確立したほどのものであるが、ボルカーは以下のように述べたのだ。「ラッファー曲線は減税措置が歳入増をもたらすという見方をインテレクチュアルな側面から支えたが、あれは、極めて極端な解釈だと捉えていたひとが当時は大半でしたよ。」
コメントの最後のほうでは、元連銀議長は、まるで、引っかかったねと言わんばかりに、クスクスと笑ったのだ。
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